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Act Ⅳ Scene 4 : 宿縁。⑦
「カルヴィン、君ほどぼくを惑わす一般人種 はいないよ。もちろん、特異種 も」
すっかり強調してしまった両胸の飾りに手を伸ばし、先端を指の腹で円を描く。クリフォードの言葉に呼応するように、カルヴィンはしなやかな腰を使って中に息づく彼を楽園へと巧みに誘う。
クリフォードがやがて力尽き、二度目の白濁を注ぐ。彼の下腹部がクリフォードの愛液で満たされ、膨れている姿が目に入った。
どうやら激しく求めすぎたようだ。翡翠の目は焦点が合わないどころではない。ひたすらに呼吸を繰り返している。クリフォードの胸にはほんの少しの罪悪感と、それからこんなにも彼を乱したという優越感が広がっている。ぐったりとベッドに身を委ねる。
「永久に愛しているよ、ラブ」
クリフォードはざらついた声で愛を告げた。目尻から涙が一筋零れ落ちる。赤い唇は笑みを浮かべ、深い眠りにつく。躰にのし掛かる彼の重みを感じながら。
《Scene 4 : 宿縁。/ 完》
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