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♥7.好きなら回れ右をしろ(16)
「あぁ……っあ、――っも、…いっ……」
ふたたび腰の奥に灯った熱が、あっという間に温度を上げる。
昂ぶりからは白みがかった蜜が溢れ、直接触れられてもいないのに、優駿の肌にこすれるだけで今にも弾けてしまいそうになっていた。
優駿の動きに合わせ、無意識に身体が揺らめいていた。次第に馴染んできた内壁が、絡みつくように優駿を締め付ける。優駿の呼吸が一瞬乱れた。
「っ、は……っ、美鳥、さ……っ」
「ひぁっ、――ぁ、あぁ……っ」
優駿は片手を胸元に這わせ、充血した突起に優しく触れながら、円を描くようにして下半身を押しつけてくる。宰がより反応を見せる部分をしつこいくらいにこすり立て、宰の身体がびくりと強張り、いっそうあられもない声が部屋に響くと、それにまた煽られるように最奥を穿った。
「ぁあっ! …っあ、や――っも、だっ……」
「美鳥さん……、俺、俺……っ 」
絡みつく襞を引き摺るようにして抽挿を再開される。隙間無く埋め込まれたものが、ぎりぎりまで引き抜かれ、かと思うとこれ以上ないくらい深くへと突き入れられた。
律動に振られていた宰の爪先がピンと伸びる。次の瞬間、引きつったように優駿の腰が戦慄いた。身体の奥で、どくんと熱が弾けたのが分かった。
「は……ぁ、あ……っ」
気がつくと宰の腹部も濡れていた。自分がいつ達したのか分からないくらい、頭が真っ白になっていた。
「美鳥さん……」
優駿は力尽きたように宰の上に身体を重ね、うわごとのように呟いた。瞼に、額に、頬にと触れるだけのキスをして、その身をそっと抱き締めながら、
「――好きです」
不意にぽつりと告白をする。
(知ってるよ)
未だ忙しない呼吸の中、宰は笑うように瞳を眇め、優駿の背中をそっと撫でた。
「お前……そこはもう、宰、って呼べよ……優駿」
すると優駿は、まるでそれを待ち侘びていたように身体を震わせ、宰を抱く腕に力を込めた。
感極まったみたいに瞳を潤ませ、
「つ……、宰さん……」
初めて〝宰〟と呼んだその声は、涙混じりの声だった。
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