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第18話

『The Hysterectomy of Mrs. Charlotte Camilla Auffet(シャーロット・カミラ・オフェット夫人の子宮摘出)』 とショッキングなタイトルの記事が出回り、すぐに記事は見ることはなくなってしまったが、慶喜とは距離をとり、それが離婚という形になったのだろうと記事は締め括られていた。 「まぁ、わざわざ出向いて会う間柄でもねぇんだよ。リスクはあっても、メリットはねぇしな」 今や、マフィア業から足を洗い、やり手の投資家・ジョゼフ・コリンズとして生きている李龍だが、20年以上、クリーンな仕事をし続けた慶喜とは違う。慶喜の地位は14年前に出会った時よりも格段に上がっていて、彼の存在を脅かす者はもはや、このビッグアップルにもいないだろう。 しかも、離婚しているとは言え、あのオフェット家がバックについているのは相変わらずだという。慶喜の性格上、オフェット家をちらつかせて、彼が仕事をしているとは李龍にも思えないが、競合相手は1人もいない状態だった。 「会いたいなら会いに行けば良いのに。君が本気出せば、K氏がどこで何してるかなんて一発だろ?」 石田は明日にはない命かも知れないと言うも、李龍は黙々と酒を飲むばかりだった。『じゃあ、また』と自分の飲んだ分の酒代を置いて、マッカーシーを後にする石田。石田を見ることなく、手を上げる李龍。 それから3日後のことだった。 石田謙太郎というメルキオール・ガルビーノJr.の盟友がこの世を去ったのは。

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