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第24話
It's normal, but good time passed in no time.
(月並みだが、良い時間はあっという間に過ぎる)
Golden sunflower field
(黄金に輝くひまわり畑)
The wine that doesn't flow to Big Apple
(ビッグアップルには流れてこないワイン)
A beautiful lover I meet only at a certain bar
(とあるバーでしか会わない美しい恋人)
「こんなところまで来てくださってありがとうございました。これで、思い残すことはありません」
ビッグアップルへ帰る為、李龍と慶喜はミラノの空港へ向かう。
青い空はこの国に滞在している間、1度も崩れることはなく、また暑いとは言え、湿度は高くなく、からりとしていた。
「思い残すこと?」
李龍は聞き返す。
李龍が聞き返す。それは無粋なことを嫌う李龍にしては珍しいことだった。
「ええ、実はずっと前から決めていたんです。こちらで暮らしたいと」
もはや、ビッグアップルきっての実業家兼投資家である黒木慶喜。
だが、李龍の記憶にいる、10数年前に出会った彼と比べると、目の前にいる慶喜は何だか、静かにギラギラした感じがなくなり、伽藍堂のように何もなく、何かが抜け落ちたようになっていた。
「仕事は続けますので、月に何回かはあの街に帰るでしょう。でも、もう……」
今、手がけている事業を拡大したり、新事業を展開したり……慶喜はまだ40代半ばで優にできただろう。
しかし、それに魅力を感じなければ、成功はしないし、わざわざリスクを冒す必要もない。
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