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直純くんの火遊び 2

「シャワーありがとー。気持ちよかったー」  直純が下着とシャツだけの格好で出ていくと、直純の痴態を想像することに忙しいだろう男子達は、口では応答するもののちっとも目を合わせてくれなかった。  直純はそれに気付かないふりをして、割りもの用に買ってきた炭酸水を飲む。 「……で、どうしよっか。男の尻なんてイヤな人はイヤだもんねぇ。好きな人はすっごいイイって言ってくれるんだけど……」  ちょっと待て、と真剣な声をかけてきたのはかつての同級生だった。 「お前はマジで、その、……い、いいのか?」  その顔が赤いのは、酒のせいばかりではないだろう。直純は客をあしらうような笑みを見せつつ、言った。 「うん。僕今の仕事すっごいやりがいあってさ。抜くだけの風俗なんかとは全然違うんだよ。ちゃんとお互い気持ちいいセックスするの。だからきっといい経験になると思うんだけど……」  どう? と、直純は最初にその気になっていた青年の膝に手を置いた。青年はもじもじとして、 「直純くんが……イヤじゃないなら……」 と、控えめなヤりたい発言をしたので、直純はにっこりと笑って言った。 「イヤなわけないじゃん。ちゃんとゴムあった? ローションは?」  青年は紙袋から避妊具の箱とローションのボトルを出した。直純は微笑んで、青年の手を引く。 「じゃーこっちおいで。あっもうおちんちんおっきいじゃん。嬉しいなー僕でちんこ硬くしてくれたの? それならもうゴムつけられるね。自分でつけれる?」 「って、えっ、ここ、ここで?」  青年は動揺したが、学生の一人暮らしの1Kの部屋では、どこも似たり寄ったりだった。 「うん、だめ?」 「い、いや……」  部屋の主もノーとは言わなかったので、直純はシャツはそのままに、下着を脱ぎ捨ててローションを手に取る。そしてわざと音を立てながら、大事な商売道具の部分に塗りつけた。 「おちんちん見えると萎えちゃうかな? 後ろからがいい?」  そう言って青年にお尻を向けて四つん這いになると、明るい部屋で全員の視線が刺さるように感じられた。  ──すっごい新鮮な反応……。  直純はつい笑ってしまう。ゴムをつけ終えた青年の手が腰に触れたが、その手は驚くほど熱かった。 「ん……じゃあ挿れていいよ。お尻だから穴わかりやすいでしょ? 奥まで挿れちゃって大丈夫だよ」  直純の言葉に操られるように、熱くガチガチになったペニスの先が押し付けられる。躊躇しているのかなかなか入り込んでこようとしないので、直純も腰を押し付けた。 「ねぇ、焦らさないでよ」  不満げに、でも少し甘えてそう言うと、ペニスが強く押し当てられて、ずぶずぶと直純の中に入ってきた。 「あっああんっ!」  セックスのときにしか上げない声を、ややわざとらしく上げてみせると、男子達はずいぶん驚いたようだった。男の本物の喘ぎ声などそうそう生で聞けるものではないし、何より直純のそれは数多の男を酔わせてきたそれだ。 「うっく……っ」  背後から青年のうめき声がした。直純の内側が、青年のうぶなペニスをなぶっているに違いなかった。 「んっ……もっと奥まで挿れて大丈夫だよっ……そしたら好きに動いていいから……」  直純が言うと、青年は両手で直純の腰をつかんで、最初は躊躇いがちに、しかしすぐに欲望のままに腰を打ちつけ始めた。 「あっあっあっあんっ! は、激しいよぉ……っ!」  パンパンと肌同士がぶつかる音と、濡れたものが絡みながら出入りする音が部屋に響く。彼らの誰も、直純のような見目のいい青年が、男に犯されて甘く鳴いているところなど見たことがないはずだ。  硬いもので無遠慮に尻を擦られて、直純のペニスも勃ち上がり、尻を突かれる度にぶるぶると揺れていた。 「やあんっ……硬いぃ……っ!」  直純は喘ぎながら下腹に力を込める。こうすれば、直純の中はいっそう青年のペニスを絞り上げるのだ。 「うっ……あっ……あっ……!」  青年はたまりかねた声を漏らし、直純の中でペニスを激しく脈動させて果てた。はた目には青年が直純を責めているように見えただろうが、実際には最初から最後まで直純が青年のペニスをなぶりものにしたようなものだった。 「んっ……」  青年のペニスが抜かれて、ふと顔を上げると別の一人がすでにゴムをつけ終わっていた。直純ははにかんでみせながら言う。 「ね……床の上だから膝が痛くなっちゃった……前からでもいい?」  そう言って仰向けになって脚を開く。相手が息を飲むのを見て、直純は微笑んだ。 「今おちんちん挿れられたばっかりだから、お尻の穴開いちゃってるでしょ……でもちゃんと気持ちよくしてあげられるから大丈夫だよ……」  目の前でセックスを見せつけられてすっかり興奮している男子は、直純にすぐに覆いかぶさってきた。直純は彼の腕を撫でてやりながら、腰を上げて挿入しやすくしてやる。  今度の青年は、一息に根元まで直純を挿し貫いてきた。 「あっああぁっ……ああ……っ!」  直純もまた挿入の快感のままに声を上げて、青年の腰に脚を絡ませ、若い欲望に身を任せた。

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