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第18話

ついにやってきた週末。誠は昨日からドキドキソワソワして篠宮に笑われたくらいこの日を楽しみにしていた。 二人でサンダルを履き寮を出る。今日は珍しく練習が休みだった。スーパーがあるのは歩いて20分くらいの所。 「ただのスーパーだよ?」 「ただのスーパーでも嬉しい…」 にへにへ…と、それはそれは嬉しそうに表情を崩す誠を見て篠宮の心臓はドキドキ鳴りっぱなしだ。 生暖かい風が吹く度に揺れる黒髪、時々自分に当たる華奢な肩、無防備に晒されたうなじも全てが官能的だ。 視線は誠の手に止まる。篠宮も割と綺麗な手をしている方だがやはり男なので手の筋などが骨ばっている。だが誠の手は本当に白くて綺麗で、指も細いしすらっとしている。 「…誠…手、繋いで…いい?」 「え?うん」 「あ、本当に?」 「うん」 (ヤバい、手汗大丈夫かな…?) 思った事をそのまま言ってみる。てっきり、外だから誰かに見られちゃうよ!と拒否されるもんだと思っていたので 『はい!』と手を差し出されて焦る篠宮。緊張し過ぎて思いっきり手のひらをジャージで拭うと誠がクスクス笑う。 「そんなに拭かなくても」 「…あ、いや、手汗大丈夫かなって…」 「そんなの気にしないよ」 「俺は気にするよ…ずっと好きだった相手だし…」 「……へへ…」 気にしないと言われても気にするもんだ。それがずっと想っていた相手なら尚更。ドキドキもじもじしていると痺れを切らして誠から篠宮の手を握る。 「あっ!」 「篠宮くんの手、おっきいね。泳ぐの速いのも分かるなぁ」 犬の散歩をするおばさんにすれ違い『こんにちは、あらあら仲良しねぇ』と言われて二人は笑いながら同時に挨拶を返す。誠のそれは愛想笑いなのかも知れないが、とても綺麗で見蕩れる。 「…誠は綺麗だよ」 「え…?え…?!?」 ボボボ!とあっという間に赤面した誠を見て篠宮は自分が恥ずかしい事を言ったのに気が付く。 「あっ、あ、違う、いや違わないんだけど」 「う、ん。あ、着いた、着いたからおしまい!!また帰り!」 スーパーの看板が見えて誠は慌てて握っていた手を離す。 早足で店内に入りカゴを持ちカートに乗せると後ろの篠宮を振り返った

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