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第44話

二人でふわふわしているピンクっぽい雑貨屋の中を歩きながらいい物が無いか探す。 文房具やハンカチ、キーホルダーに化粧品、ぬいぐるみ。本当に色々あり過ぎて選べない誠。旭をチラっと見ると入ったばかりというのにもう既に何かを手に取っている。 「……ん〜……」 女の子は凄い。こんなに種類がある中から一つを選んでいるんだから。篠宮は何を選んでも喜んでくれそうな感じはするができるだけ実用性のありそうな物にした方が良いに越したことはない。そんな誠の視界に入ってきたのは小さめのハンカチ。 二枚並べるとクローバーのイラストが完成するデザインになっていて、そのイラストもワンポイントで小さめだ。 「…かわいい」 二人で一つの色違い、これならお揃いだって気付かれにくいかも。黄緑と水色でセットになっている。 自分が水色で篠宮が黄緑、喜んでくれる顔を想像してうふふ、と笑みが零れそうになるのを必死に堪える。 (翔くん使ってくれるかな…初めてのお揃い…) しばらく手の中のハンカチを眺めてハッと我に返りレジへ急いだ。 「才田先輩!何にしましたか?」 「これ、使えるかなって」 レジを終えると駆けてきた旭にハンカチを取り出して見せる。 「いいですね!二人だけの秘密のお揃い!奥ゆかしい!」 「奥ゆかしい…かな?ありがとう…?」 「僕は学年も違うのでガッツリアピールのために!」 じゃん!と言いながら旭が取り出したのは二匹のクマのキーホルダーだった。5センチサイズでよくあるピンクと水色の色違いで旭っぽいなと素直に思った。 可愛いクマと可愛い旭。自分と違ってよく似合いそう。 「かわいいね。旭くんっぽい」 「えへへ、水色が田中先輩のなんです!」 あとは包装して渡すだけだ〜と言っているとあっという間に映画の時間が近付いているのに気付き、急いで映画へ急いだ。

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