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第48話
「とっ、とりあえず拭いて!!!」
「あ…」
誠は思考回路が停止していたが、勢いよく起き上がり真っ赤になって叫んだ。俯いていた篠宮はビクッと肩を揺らし叱られた大型犬のように部屋を出ていく。
「……最悪、…」
ガチャンとドアが閉まったのを見送ると誠はベッドにぼふんと倒れた。篠宮の匂いがして先程まで見ていた夢の内容を思い出す。
(…だって…だって…翔くんとアレコレする夢見てたなんて言えないし…!!!!!!)
寝る前に篠宮のセックスする時の顔なんか想像するから変な夢を見てしまった。起きたら本人がいて夢の中の想像上の顔と全く同じ顔をして自分に跨っていたんだからもう何も考えたくない。
「…誠、あの、」
「……」
篠宮はすぐに戻ってきたが恥ずかし過ぎて顔なんか見れない。セックスはした事はあるけど下を他人に直に触られてイかされるなんて初体験だった。
「…誠、…入っていい?」
ここは篠宮の部屋なのに篠宮は律儀に扉越しに声をかける。誠は尚も恥ずかし過ぎてタオルケットにくるまった。
「…ごめん誠、大好きだよ」
タオルケットごと抱き締めてくる篠宮に顔を見せられない。そういうスキンシップは恋人だから当たり前なのかもしれない。当たり前なのかもしれないが慣れないし恥ずかしい。
「かわいかったよ」
「うるさい!!!」
反省していると思いきや、甘い声で囁かれ思わずタオルケットから顔を出すと必然的に篠宮と目が合う。
「あぁぁうぁ…」
「あの、マジでごめん」
ボボボッと一気に赤面してまたタオルケットに籠城した誠に篠宮は再度謝って、誠の次の一言に耳を疑う。
「もう…もう…、なんで、…翔くんが夢に出てきたのが、」
「俺?」
「……嘘。早く出てって」
より一層きつくタオルケットにくるまった誠。
夢に自分が出てきたと聞いてさすがの篠宮も出て行くなんてできない。
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