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2-YAMATO's Bar

マンションの一室で。 「なー、大和ー」 俺は大和の部屋にいた。 今何時だ? 起きてるんだか寝てるんだか分からない、ぐったりした大和を腕に抱いて、ベッドに寝転がっている。 昨日は夕飯後にこの部屋にきて、シャワー浴びてちょっと酒飲んで大和を抱いた。 何回ヤったかは分からん。 満足してそのまま眠って、今目を覚ましたところだ。 「んー」 大和の髪に顔を寄せる。なんだか知らんがいい匂いがする。 「悠、暑い……」 あ、起きてたのか。大和が唸って俺の裸の胸を両手で押しやる。 「んな冷たいことすんなよ……」 俺は体を起こすと大和の小さな唇を奪う。 ぷっくりして柔らかくて、甘くてとろけてしまいそうだ。 もちろん、とろけるのは俺な。 ちゅ、ちゅっと音を立てて唇を下に移動させていく。 片手で折れてしまいそうな細い首。 桜色の飾りをつけた薄い胸。 形のいいへそがある肉付きの少ない腹。 へその辺りをくすぐるように舌を滑らせると、大和が身をよじって逃げ、手を伸ばして俺の頭を押し退けようとする。 「や、だぁ」 「まだいいだろ」 「だめぇ、もぉ終わりなのぉ」 舌っ足らずな甘え声で終わりと言いながらおかわりをねだってくる。 「僕疲れちゃったもん」 「じゃあ、最後の一回な」 「もー、悠ったらぁ」 大和がくすくすと笑う。 ◇ ◇ ◇ 「あっ、んっん、やんっ」 俺が下から突き上げる度に、大和が小さな体をのけぞらせて嬌声を上げる。 「ふ。……やらしー声まだ出るじゃん」 「馬鹿ぁ!悠のばか!っはぁっ」 はずむ大和の細い腰を捕まえて、前立腺を虐めぬく。 「ゃあん、そこばっか、シちゃやだぁっ!」 カリが前立腺を擦る度、小さな体が震えて、足の爪先をきゅっと丸めるのが見えた。 イヤ、ダメ、と喘ぎ続け、開いた唇の端から唾液が流れている。 「はぅ、ゆう、だめ、イっちゃう、イっちゃ、ぁぁああッッッ」 「……ぅくっ、やまと、お前ただでさえキツいんだから、締めるなよっっ」 大和から返事はない。天井を仰いだまま体をこわばらせて、時折ひくりひくりと震えている。 可愛い性器は揺れるばかりで、精液を飛ばさなかった。 狭くてキツい大和の中だけが大きくうねって搾り取るように俺を更に締めつけてくる。 俺は我慢できなくなって、そのまま数回思うままぶちこんでイった。 ◇ ◇ ◇ 「……ん、ふわぁ」 大和が目を覚ました。 派手にイったきり、気絶するように眠りやがったから、仕方なしに、濡らしたタオルで体を拭いてやって、その辺にあった布団を掛けてそのまま眠らせた。 「あれ、僕寝ちゃったの?」 「そーだよ。もう一回くらいヤりたかったのによ」 「悠、これで最後って言ったじゃん」 「イくのがはえぇんだよ。もうちょっと楽しませろや」 「ドライでいったんだよ?もう無理だよぉ」 その声音はさっきと違って本気だった。 「ん?」 大和が体を起こして耳を澄ませる。 「なんか、バイブの音しない?」 「大和、そんなオモチャ隠し持ってたのかよ」 にやりと笑って小さな尻を掴んだら、軽く頭を叩かれた。 「馬鹿。変態エロ王子」 王子はやめろ、王子は。 俺は結構それ恥ずかしいんだぞ。 「え、嫌なの?似合ってるのに」 「性格が王子ってガラじゃねぇだろ。圭吾みたいに大人しいとか吹雪みたいにお上品ならともかくよ」 「悠、口悪いもんね……あ、また鳴ってる。僕のじゃないよ?」 サイドボードの上の携帯を見やって、大和は俺を見る。 俺の?俺のは……自分の部屋に置いてきたな。 あ、ちょうどこの壁の向こうかも。 あ、そういえば今日の午前中、仕事入ってるわ。 やべぇ。 たぶんあれ、颯人からの電話だ。 「怒ってっかなー……とりあえず俺帰るわ」 ぱぱっと衣類を身につけると、大和の額に口づけた。 「オモチャはまた今度な」 「だから持ってないってば」 大和から頬にキスをもらって、玄関に向かう。 玄関を開けて……すぐに閉めた。 「何してんの悠。顔色悪いよ」 「颯人っ、颯人が前通ったっ!俺んちの方行った!」 え、颯人どんだけ電話鳴らしたんだよ? というか今日何時に行く予定だったっけか。 大和とヤったら今日の予定忘れちまった。 うん。これは大和が可愛すぎるのが悪い。 「大和っ、お前責任とれ」 「はあ?!僕が何したっていうのさ」 俺の部屋から微かに聞こえるチャイムの音。 「颯人は俺がショタコンなのを知ってる。だから今俺が大和の部屋から出ていくのはひじょーにまずい」 「自業自得じゃん」 大和は冷たい。 「頼む大和!さりげなく出ていって、俺はもう出かけたって言ってきてくれ」 「意味分かんない。さりげなくないじゃん。なんで僕が悠の居場所を知ってるのさ。おかしいでしょ」 「そこはなんとか、出かけていくとこを見たとかごまかしてさぁ!」 「ええぇ」 「ほら!今日燃えるゴミの日だし、ゴミ捨てに出てく雰囲気で!早くしねーと颯人が鍵開けちまうから!」 「なんでそこまでして、悠と僕の関係隠さなきゃなんないの」 隠したいわけじゃないけどさ……。 なんか、なんか颯人に知られるのは避けたい気分なんだよ。 「まあいいや、行ってあげるよ。貸し一つだからね」 「すまねぇ大和、恩に着る!」 大和に、俺はもうどっかに出かけたと上手く言いくるめてもらって、颯人がマンションから出ていってから、俺は大急ぎで自宅に戻って着替えた。 タクシーで事務所に駆けつけた時には、当然颯人も事務所に戻ってきていた。 「あれ、悠さん。今いらしたんですか?」 「あ、ああ。出かけたんだけど、途中で携帯忘れたのに気づいてさ。家に戻ったりしてたから遅くなっちまった」 「そうですか」 危ねぇ……。颯人は疑っても怒ってもないみたいだ。 「今日は雑誌のインタビューですから。そろそろ出版社の方が見えるはずです」 「おう」 俺はその日一日いい子でのりきった。 こんど大和にはシフォンケーキ買ってやらないとな。

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