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3-性的魅力とその弊害についての考察(2)
週が明けて、番組ディレクターと打ち合わせの日。
俺は一人でテレビ局へ向かった。
受付で、担当の佐川ディレクターを呼び出してもらう。
まもなくエレベーターから下りてきた男が、足早に受付にやって来た。
「えぇと、池田音楽事務所の越野さん?」
あまり俺と年の変わらなそうな、短髪の男だ。
「はい、お世話になります。小原悠のマネージャーを務めております、越野です」
「番組ディレクターの佐川です。ご足労いただいてありがとうございます。会議室を用意しておりますので、こちらにどうぞ」
佐川さんの後について会議室へ向かった。
打ち合わせ自体は一時間もかからず終わった。
曲目を決め、当日の段取りを確認する。
話が終わると、佐川さんは表情を緩めて椅子の背にもたれかかった。
「いやぁ、小原さん今勢いあるじゃないですか。引き受けてくださるかドキドキだったんですよ」
「とんでもないです。なかなかテレビで弾かせていただく機会ってないので、小原も気合入ってますから」
「本当ですかぁ。いやいや小原さんのコンサート、チケット争奪戦すごいって聞いてますよ。知り合いがチケット取ろうとして、全然間に合わなかったって嘆いてました」
「あはは。お陰様でありがたいことです。実は今回の出演で、コンサートの集客率が上がるのも期待してます」
「いやー、貢献できれば何よりです」
その時、コンコンと会議室の扉がノックされ、中年男性が顔を出した。
「あっ、千田プロデューサー、ちょうどいいところに。『MUSIC LIFE』の小原さん出演の件で打ち合わせしてたところなんですよ」
「そうなの?」
「お世話になります。小原悠のマネージャーをしております越野と申します」
俺が立ち上がって挨拶をすると、千田プロデューサーはにこにこと椅子に腰を下ろした。
「ご丁寧にどうも。『MUSIC LIFE』のプロデューサーの千田です。いやー、小原さんの人気、すごいですね。今観覧の申し込みを受け付けてるんだけど、既に枠の五倍くらい申し込みが来ちゃって。スタッフが嬉しい悲鳴を上げてますよ」
「それは何よりです」
俺が笑顔で答えると、千田さんは眩しそうに目を細めた。
「いや、小原さんが王子って呼ばれてるのは有名ですけど、マネージャーさんも綺麗な方なんですね」
「え、あ、あはは。ありがとうございます」
話題がちょっと苦手な方向を向き始めた。
自分のことを話すのはあまり好きじゃない。
その後しばらく世間話をしてから、会議室の利用時間が過ぎたところで解散となった。
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