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5-泣かないで愛しいひと(16)
さっきから、悠さんが膝を曲げて、俺の恥ずかしいところを膝と脛ですり、すりっと優しく刺激してくる。
柔らかく、時には少し強めに。
俺の下腹部と悠さんの脚に挟まれて、たらたらと透明な蜜を零している。
その俺自身はもう限界に近くて、一触即発の状態……いや、もう触っているから正確にはちょっと違うけど……もう少し強くされたらイってしまいそうな状態が続いている。
ただひたすらに気持ちいいだけって、辛い。
イキそうでイケないって、苦しい。
そんな俺の状況を知っているはずなのに、悠さんは素知らぬ顔で優しいキスをする。
「んぁ……悠さん、ひどい」
俺は涙目で悠さんを見上げた。
「どうした?」
悠さんは微笑んで俺の目尻に口づけて涙を拭った。
そのまま耳朶に唇を滑らせて、からかうように耳元で囁いた。
「まだ何か欲しいのか?俺の可愛い欲しがりさん」
「ぅう」
耳にかかる吐息さえも、俺を煽ってくる。
「言ってくれれば何でもあげるぜ?」
イキたい。
ただその一言だけ口にすれば、きっと悠さんはこのイキそうでイケない現状から解放してくれる。
でも恥ずかしい。
さっきから俺ばっかりひいひい言ってて、悠さんはお風呂場で一瞬切羽詰まった顔を見せたきり、あとは余裕たっぷりだ。
ずるい。
「何が欲しい?愛か?それとも甘ぁいキスか?」
膝で軽く局部を刺激される。
「ぅん、んぁ、あ……!」
ひどい。
イキそうになると、さっと悠さんの膝が離れていく。
少し落ち着くとまたやってきて、俺を弄ぶ。
「颯人?意地はるなよ……」
悠さんが誘う。
いやだ。誰が言うもんか。
悠さんの好き勝手にされてたまるか。
俺だってやり返してやる。
勃ち上がっている悠さん自身に手を伸ばす。
「?!」
ズル剥けのそれを包み込むように握ると、ゆっくりと上下する。
少しきつめに握ると、余裕の表情だった悠さんが、焦ったように唇を噛む。
玉にも手を伸ばす。ぱんぱんに張ったそれを大事に指先で揉み転がす。
悠さんからも先走りがたらたらと零れ始めた。
そのぬめりを借りて、カリ首に指を這わせる。
「はや、と」
「どうしました、悠さん?」
「意地悪すんなよ」
「それは私のセリフです」
優しく鈴口を割って指先で刺激すると、ますます透明な蜜が溢れてくる。
さすがの悠さんも、この状態で俺をからかう余裕はないらしい。
曲げていた片足は軽く伸ばされている。
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