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5-泣かないで愛しいひと(23)
バカ、俺のバカ。王子様スマイルなんて見慣れてるだろ!悠さんの本性知ってるだろ!
なんで騎乗位なんかOKしたんだよ!
と、絶賛後悔中の俺は今、仰向けに寝転がった悠さんの上に四つん這いになってます。
悠さんを見下すのは新鮮で、ちょっとどきどきする。
俺からキスし放題だし、独占欲が刺激される。
俺にこんな欲望あったんだ、と我ながら意外に思いつつ、この先どう進めようか困惑中だ。
とりあえずキスをやめて、悠さんの太もも辺りに腰を下ろしてみた。
悠さんのは、もういつでもかかってこいやと待ち受けるように勃っている。
え……これが俺の中入ってたの?
今更ながらちょっとびっくりした。だって結構大きいし……って何考えてんだ俺!
今はそれどころじゃないんだよ!
試しに先端にちゅっと口づけてみた。
先端から透明なものがにじみ出てくる。
「お、おい!からかうなよ!」
予想だにしてなかったのか、悠さんがちょっと焦った声をあげた。
あ、その顔好きです。
整えた眉を歪めたその顔は、いつもの煌びやかな雰囲気が薄れ、男としての一面が見えてイイ。
「んと、はい。ゴム付けるとこからやってな?」
枕元に手を伸ばした悠さんが、ゴムとローション二つのパウチを俺に渡す。
「え、私が付けるんですか?」
「いいじゃん。困る颯人を見たいんだよ」
しぶしぶ小袋を開けてコンドームを取り出す。
久しぶりに見るそれは潤滑剤付きのようで、悠さんのモノに被せて付けていると、手が少しぬるついた。
不慣れな手つきに悠さんが少し手伝ってくれる。
だって、無理やり犯すのにご丁寧にゴム付けてくれる男なんていないからな。ついぞ慣れないのは仕方ないだろ?
「ん。上手だぞ」
悠さんがにこりと俺の頭を撫でる。
「恥ずかしいんで、あんまり見ないでください」
後は……ローションを開けて半分を手のひらに出す。
ゴムの上から垂らして、扱くようにして馴染ませる。
残りは俺の分だ。……出したそれを指先に纏わせて、後ろの孔をほぐすように指を入れ、付ける。
ティッシュで手を拭いて、さて、準備ができてしまった。
後は、もうちょっと前に跨って、悠さんのを入れるだけ。それだけ。
それだけなんだが……!
「あの、悠さん。お願いがあります」
「どした?」
「その……全部入るところまででいいんで、目をつぶっててもらえませんか」
「えー。一番見たいところなんだけどな。仕方ないな、今回だけだぞ?」
悠さんが目を閉じてくれたのを確認して、俺は腰を上げて一歩前に出て、悠さんの先端を秘部にあてがう。
初めの方こそ抵抗があったものの、一番太いところを越えてしまえば、後はゆっくり腰を落としていくだけ――。
「っはぁんっ!」
だったのだが。
半ば入ったか入らないかくらいのところで、悠さんがいきなり腰を突き上げた。
悠さんのが勢いよく俺の奥を突く。
ぁあ、奥は、奥は反則だろ……。
思わず善がり声が出てしまった。
が、それだけじゃなくて。
「あれ、颯人、ところてんしちゃった?」
目を開けた悠さんが、含み笑いをしながら腹に飛んだ精液を指ですくって眺めている。
奥を突かれた勢いで、イってしまった……。
「悠さんがいきなりなことするからじゃないですか、っん」
悪戯っ子みたいな笑顔で、悠さんが俺の下で腰をぐりぐりと押し付けてくる。
「やめてくださっ……は、ぁんっ」
唇を噛んで、快感をやり過ごす。
「はは。颯人、顔真っ赤」
「だって、いきなり悠さんが奥まで突いてくるから……。もう!勝手にしてください!!」
思わず子供のように、唇を尖らせてそっぽを向いた。
「拗ねてても可愛いだけだぞ。……んー、これでおしまいってのもつまんねぇから、ノーカンにしてやるよ」
あ、そっか。そういえば勝負してたんだった。
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