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8-なつのおもいで(9)*
「ひゅー!おねえさん、顔だけじゃなくて体も綺麗だね。余計なモノ付いてるのがほんと残念」
一糸まとわぬ姿で岩の上に押さえつけられた俺を見て、赤髪の男が揶揄する。
「つーかお前ら、せっかく綺麗なのに傷つけんじゃねーよ」
「す、すみません」
衣服を脱がされる際に全力で暴れたところ、みぞおちに一撃もらい、痣のように痕が残った。
息をすると軋み、身動きすると痛む。
「おねえさんさぁ、こういう運命だと思ってさ、楽しもうよ。ね?俺たちだって喧嘩したいわけじゃないんだから」
おねえさん呼ばわりをやめない男を、俺は思いきり眼に力を込めて睨みつけた。
「喧嘩したいわけじゃないって、言ってるじゃん」
そ知らぬ顔で赤髪の男は岩の上に座らされた俺の股間に左手を伸ばすと、指先で玉を弄ぶ。
きゅっ、と握られて血の気が引いた。
「痛いのより、気持ちいい方が、良くない?ねえ?」
そう言って俺の胸に顔を寄せ、髪同様に赤い舌で乳首をなぶった。
気持ちいいわけないのに、慣れた体は勝手に反応する。
体の奥底に濁った悦楽が淀んでいくのをこらえて、目をつむって唇を噛み締めると、それを見た長髪の男が嗤う。
「気持ちよくなってんじゃねーか。はは」
赤髪の男の反対側に座ると、俺の右耳に歯を立てた。
突然の刺激に腰が跳ねる。
「確かに、モノ見なければいけるかも。貧乳だけど」
「だろ?つか、感度良すぎて、乳首いじめると震えるのめっちゃ楽しいんだけど。しかも見て見て、チェリーピンク。おいしそ。……あはっ、おねえさんだいぶ気持ちいいんじゃん」
舐められ、転がされ、吸い上げられ、真っ赤になった乳首を指先でつままれて、思わず漏れた吐息を聞きつけられた。
「いいじゃんいいじゃん、気持ち良くなってよ。んで、俺らのことも気持ち良くしてよ。上手にイかせてくれれば解放してあげるからさぁ」
「んぅっ……っ」
赤髪の男は調子のいいことを言いながらも、ぽってり赤く腫れた乳首を弄るのをやめない。
俺は、つままれる度に声が出そうになるのを我慢し続けているのだが、抑えきれてない。
「そんな無理して我慢すんなよ」
長髪の男に唇を奪われた。ぼやぼやしているとあっという間にどこまでも開かされる。
舌を入れてきたら噛んでやろうと思ったが、巧みに舌を誘われて相手の土俵に引きずり出されてしまっては、何もできない。
舌と喘ぎ声を吸い上げられ、恥と怒りで顔が熱くなる。
「ぅ……んぁっ」
くくくっと長髪の男が喉で嗤う。
「チョロいな、ねえさん。こんなんで声あげてたら、後で喉嗄らすぜ」
赤髪の男は、横から手をのばして片手で俺の腰を抱き、反対の手は相変わらず乳首を苛めてくる。
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