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8-なつのおもいで(10)*
「おい、確か誰かローション持ってる酔狂な奴いたよな。貸して」
赤髪の男が外を見張っている仲間の男に声をかけた。
一人が小ぶりのボトルを赤髪の男に渡す。
「お、あんがと」
赤髪の男は喉を鳴らしてくっくっと笑った。
「良かったね、おねえさん。これでちょっとだけ痛くなくなるかもよ」
俺の背後から抱きつくようにした赤髪の男は、俺をM字を書くように開脚させ、露になった蕾の周囲をぬるつく指でぐりぐりとなぞった。
唇をもう一人に塞がれているので悲鳴を上げられず、ただ背中を怖気が走る。
体内に不快感の皮をかぶった快感がこもり、溜まっていく。
二回 りした後、つぷっと中指が中に押し入った。
「ふふ。おねえさんの中、キツイけど奥は柔らかくて、おいしそうだね」
背後から耳元に吹き込むように囁かれて、反射的に体がこわばり、余計に指を締め付ける。
「あっはは、おいしそうな上に欲しがりさんなの?……安心して。俺ら六人いるんだよ?いくらでも気持ちいのあげられるから」
輪姦をほのめかして赤髪の男が嗤う。
「い、ゃ、やめ」
ローションをまとった二本目の指がぬるりと入ってきた。
「そんな声でやめてって言われてもなー。余計そそられちゃうなー。そうだ、おねえさんの気持ちいいとこ探しちゃおっか?」
二本の指がスムーズに動かせるようになったところで、中を探るような動きに変わった。
絶対に反応してやるものかと、俺は手を握りしめて掌に爪を立てた。
俺の中を蛇のようにゆっくりとした動きで指が探っていく。
数回前立腺を撫でていったが、俺はその度に体の奥底が熱を増し、跳ね上がりそうになるのを必死で圧し殺した。
「えー?気持ちいいとこどこ?おねえさーん、我慢は体に良くないよ?」
言いながら、また中をくまなく探り始める。
「セイ、そこだ」
俺の耳に舌を這わせていた長髪の男が、急に笑い含みに言った。
「ん?ここ?こっち?」
「最初の。ねえさん、我慢しすぎて息止まってるぜ」
長髪の男は俺の目を覗き込んで、分かりやす過ぎ、と嗤う。
「ここ?」
ぐりぐりとピンポイントでえぐられて、とうとう俺は声にならない声をあげた。
座っているのさえままならなくて、思わず横にいる長髪の男にしがみつく。
「えー、ずるいサキ。おねえさん、抱きつくなら俺にしてよ」
どうやら、赤髪がセイ、長髪がサキというらしい。
この二人がこの六人組のリーダー格のようだ。
残りの四人はちらちらとこっちを眺めながらも、外の見張りを続けている。
「サキにばっかり甘えるなら、容赦しないから」
「う、ぅ」
何本か分からないが無理やり指を押し込まれて、孔がみちみちと拡張される。
ぴりぴり痛みが走る。変に動いたら裂けそうで、怖くて身動きできない。
「あはは。目一杯入れちゃった。おねえさん、気持ちい?」
口を開いたら何が溢れるか自分でも分からない。
無言で頭 をふって、精一杯の抵抗をした。
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