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8-なつのおもいで(17)

食事の時間は思ったよりも早く済んで、皆で後片付けをした。 買ってきた肉や野菜はすべてきれいに食べきった。 悠さんや桧山さんはまだ物足りなそうな顔をしているくらいだった。 「うーん、どうすっかな……」 「どうしたんですか?山岡さん」 山岡さんが腕組みをして何やら考え込んでいるので、聞いてみた。 「おう、颯人。……この後さ、俺らの部屋に希望者集めて二次会やろうかと思うんだけど、どうかな。颯人が今日はもう休みたいなら悠たちの部屋にするけど」 輪姦のショックがようやく落ち着いてきて、言葉少なにだったけれど悠さんとゆっくり食事をした今は、一人になるよりも、賑やかにみんなと一緒に居て、元気をもらいたい。 「私も二次会やりたいです。私たちの部屋で構わないですよ」 「おし!ありがとな。じゃあ声かけちまうな」 山岡さんが他のメンバーに声をかけている間に、俺は部屋に戻って片づけをした。 と言っても、まだ着替えくらいしかしていないので、ベッドの上に置いていた服や、干していた水着を目につかない場所へ移動させただけだが。 片づけをしていると、山岡さんが戻ってきた。 「お!悪いな颯人片付けさせちまって。とりあえず悠たち三人は来るってよ。所長と理沙ちんは返事待ち」 「そうですか。使うのここでいいですよね」 「そだな。いいんじゃね?」 部屋に入って真正面に、大きな木製の丸テーブルがあり、小さなキノコの形をした可愛らしいスツールが囲んでいる。 キノコは四つしかないが、スツールを使わずに直接床に座っても、テーブルの背が低いので十分だろう。 「じゃあ、さっき残った酒と……追加の酒と……つまみ代わりの菓子な」 山岡さんが、あっという間に酒と菓子でテーブルをいっぱいにした。 菓子といっても、酒のつまみにするので、ほとんどがスナック菓子だ。 俺はその中から数少ない甘いものを探し出して、一か所に積んだ。 「はは。それ、颯人専用だな」 一部始終を見ていた山岡さんが笑う。 「邪魔するぞー」 ドアが外からノックされて、山岡さんが「入れよ」と声をかけると、桧山さん、二宮さん、そして悠さんが入ってきた。 「お、酒まだいっぱいあるんだな。さすが良太」 「当り前だろ。遊ぶなら全力で準備するのが俺だ。おっ所長から電話」 山岡さんが通話している間に、三人は適当にテーブルの周りに陣取った。 「――はい、おやすみなさい。失礼します」 山岡さんが通話を切ってにやりと笑う。 「理沙ちんがもう寝ちゃったから所長も寝るってさ。残念だったな圭吾」 その場にいた全員の視線が二宮さんに集まる。 二宮さんは真っ赤になって言い訳した。 「だから、僕が勝手に片想いしてるだけなんですってば。近江さん彼氏いますし」 途端に桧山さんと山岡さんがあんぐりと口を開いた。 「まじでー……」 「いるのかよ彼氏……ってか、それで諦めない圭吾もえらいな。よし、今日は飲め!な!」 二宮さんを慰めつつ、二次会が始まった。

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