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第14話
最初はその頭をどけようと、自分から離そうと努力していた、はずだった。
だが今は、いいように喘がされては指で存外柔らかなその髪を遊んでいる。
じゅるり、と強く吸うと、魚のように跳ねて細くて長い声で啼く。
その反応に、ウァラウムは気をよくしていた。
「初めてですか、口でされるのは。いや、もしかして、セックス自体初めてなのでは?」
意地悪な響きを含んだウァラウムの声にすら、ぞくりとくる。
「もう……や、め……」
「やめていいのですか。今さら? こんなに硬くしておきながら」
細く尖らせた舌先で、アルトニーの裏筋をゆっくり舐める。
髪に絡んだ指が強く握られ、ウァラウムはかすかに痛みを感じた。
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