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第26話

 目覚めた時、あれほど静かで冷たかった部屋を、今はひどく騒々しく熱く感じる。  ベッドが軋む。  ウァラウムが腰を叩き付けるたび、乾いた肌の音が鳴る。  接合部が派手に粘っこい水音を立て、それに彼の吐くけだもののような息遣いが被さる。  そして、はしたない私の声。 「あぁッ! あ、あぁ、んぁッ。はっ、はッ、はぁ、はッ、あぁッ!」 「いいですね、アルトニー。最高、ですよ。最……高……ッ」 「やッ、ぃやぁッ。んッ、んッ、ふ。んぅう、う、あぁあ!」  考えて声を上げているわけじゃない。  自然と喉をついて出てしまう、あられもない快楽を訴える悦がり声。  こんなことが、まさか自分の身に降りかかるなんて考えてもみなかった。  処女伸・ファタルに忠誠を誓うが故、人と離れて過ごしてきた。  肉の交わりなど、考えたこともなかった。  それが、今になって。  まさか、死後になって現実のものとなろうとは。  しかも、その相手は。
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