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第一章・11

「零時過ぎると思いますが、それでもよろしいですか?」 「お、おう」  候補生の座学は8時までのはずだが、何か用があるのか。  いや、それよりなぜそんな目でオレを見るんだ。  明に話す余裕を与えず、愛は待ち合わせの場所を指定してきた。 「お先に失礼します」  まるで逃げるように走っていく愛を見送りながら、明は釈然としない思いだった。 (緊張してるんだ、きっと。なんたって大魔闘士様からのお誘いだからな)  天文台からの星々のきらめきを見れば、あの眼もきっと輝くに違いない。  そう自分に言い聞かせると、明は夕食をとるために食堂へと向かった。  水浴びのことは、すっかり忘れていた。

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