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第一章・15

 いいから服を着ろ、と言う明の言葉に愛は頷いて、のろのろと服を整えた。  沈黙が重い。  明は頭をがりがりとかいて、言葉をひねり出した。 「その、夕方お前に酷いことした奴らがいたんだろ。あいつら、知り合いなんだよ。悪かったな」 「いいんです。慣れてます」  オレは違うから、というのはいかにも言い訳臭くなる。  話題を変えた方がいいようだ。 「愛、ってのはいい名前だな。うん」 「ありがとうございます。源氏名ですけど」 「源氏名!?」 「先生に水揚げされる前、お店にいたんです」 「お店、ってお前いくつだよ」 「さあ」 「誕生日とか、あるだろ」 「知りません」 「じゃあ、本名は?」 「ずっと愛、って呼ばれてましたから、忘れてしまいました」

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