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第一章・19
明は、両手を合わせて男を拝んだ。
何でもいいから、いい結果を。
どうか守護星座が見当たりません、なんてことだけは避けてほしかった。
男は愛の手のひらを見てみたり、眼を覗き込んでみたり、カードを出してなにか答えさせたり、とあらゆる手段を尽くし始めた。
妙なことに、初めは呑気だった表情が、時間を経るにしたがって難しいものに変わり始めた。
「明、この子は掘り出し物かもしれないぞ」
「どういう意味だ!?」
「第一位の守護星座が、魚座だ」
明は思わずガッツポーズをとった。
魚座の大魔闘士は、まだ空位だ。
そこに愛がおさまることを考えただけで、胸が高鳴った。
魚座の大魔闘士が覚醒すると、魔導学校内の花迷宮に魔導薔薇が咲くという。
愛が、その魔導薔薇使いになるのか!
「まあ待て。喜ぶのはまだ早い。魚座の候補生は他に何人もいるんだ。この子が大魔闘士になるかは解からん」
「んな事、決まってるじゃねえか! 愛。お前、魚座の大魔闘士だ! やったな!」
明に肩を掴まれ、がくがくと揺さぶられながら、愛はやっとのことで口を開いた。
「そんな。何かの間違いです」
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