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第一章・24

 零時に愛に会う事も、明の日課になっていた。  夜の座学の終了は20時のはずだが、愛は必ず零時を指定してきた。 「今夜は特別な場所に連れてってやるぜ」   愛は、にっこりと微笑んだ。  明の連れて行ってくれる場所は、いつだって特別な場所なのだ。  毎晩、初めて見るものがある所へ誘ってくれる。  今夜は、どこへ連れて行ってくれるのだろう。    愛は、そこで初めて自分が『楽しみにする』という感情を得たことに気付いた。  毎日が、同じようなことの繰り返し。  笑うのは相手の機嫌をそこねないようにするためだけのはずだった自分に、大きな変化が訪れている。  店でも、修行地でも、魔導学校へ来た時も、何かに期待するということなどなかった。  それが、明の出現によって大きく変わり始めていた。

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