29 / 259

第一章・29

 緊急に招集がかかり、明を始め大魔闘士は校長の元へと集まっていた。  何事かと思いきや、明にとっては至極極簡単な内容だった。 「花迷宮の魔導薔薇につぼみがついた。それが一週間たった後の今も枯れ落ちることなく、ふくらんでいる」  校長の言葉に、一同はざわめいた。  これまで、つぼみが付いたことは多々あった魔導薔薇。  そのたびに、新しい仲間が、魚座の大魔闘士が覚醒するのかと期待を込めてきた面々だった。  つぼみが枯れ落ちる知らせを聞くたびに落胆してきたが、今回はうまく事が運ぶのだろうか。 「ついては、各自魚座の候補生に付いて様子を逐一報告してほしい。覚醒の兆しがあるようならば、配慮して促すように」  各自、ひきしまったおももちで頷く。  一人を除いては。 「はい」  ぶらん、と手を挙げた明に、一斉に視線が注がれた。 「今おこなわれてる報告闘技会に集まってる奴らの中に、新規の魚座候補生がいたとしたら?」  うむ、と校長は頷き、言葉を足した。 「その可能性も無きにしも非ずだな。新規候補生は順番を繰り上げて、守護星座を見てもらうように手配しよう」

ともだちにシェアしよう!