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第一章・41

 中年に差し掛かってもうだつの上がらない二級魔闘士に残された出世コースは、神官への転職である。  大魔闘士から校長を輩出する倣いから、魔闘士から高等神官への道はさほど険しくない。  ただ、ある程度の便宜を図ってもらえればの話ではあるが。 「お前の師匠は、自分の出世のためにお前を売ってんだぞ。解かってるのか」 「そんなこと言わないでください。先生は恩人です」 「とんだ恩人があったもんだぜ。最初からそのつもりで、お前を店から買ったんだ」 「そんな」 「神官候補生だなんて体裁のいいこと言いやがって。神官連中、お前をお稚児さん扱いするに決まってる」 「もうやめて」    どんどん小さくなっていく愛の声に、明は、ぎりぎりと拳を握りしめた。  愛を食い物にするヤツは、どいつもこいつも許せなかった。 「今まで相手させられた神官を教えろ」 「まさか。やめてください!」 「オレが、みんなぶっ殺してやる!」  愛は息をのんだ。 「じゃあ、やっぱり予備生の人たちは」 「ああ。オレが殺った」 「あんなひどいことを」 「ああなって当然のことを、あいつらはしたんだよ!」 「でも、殺すなんて。もうやめてください! 私のせいで人殺しなんて」 「いいんだよ。オレは大魔闘士だぜ? 殺しなんて当たり前にできて当然の人間なんだ」

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