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第一章・54

 異様なオーラの高まりに、明はハッと顔をあげた。  このスケールは、大魔闘士クラスのものである。  しかし、心の中になだれ込んでくるそのイメージは、これまでに感じたことのない質感だった。 「なんだ?」  隣にいた柊一も気づいたようだ。 「何かあったのか」  自然にオーラの発せられる方向に歩き出した柊一をおいて、明は駆け出した。 (まさか、愛!?)  確信はなかったが、他の魚座の連中と顔を合わせることで覚醒のきっかけがあったのかもしれない。  校区のはずれから気配は感じられた。  その気配に近づくにつれ、甘い香りが漂ってくることに、明は気づいた。  バラの芳香だ。  ただ、その香りは心地よいだけではなく、何か心をざわめかせるものが感じられた。  どこか、知らない別の場所へ連れて行かれるような、黄泉の国へといざなわれるような香り。 (オレのオーラと同じだ)  明は、愛に因縁めいたものを感じた理由の一つが解かった。  このオーラは、自分のものと似ているのだ。  人の魂を、死者の国へと運ぶ者が持つオーラだ。  

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