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第一章・68
「立会人は、蟹座の左近充 明。共に花迷宮へおもむくように」
皆、意外そうな顔つきだ。
それもそうだろう。どう考えても、年長者の入江の方が適任である。
だが校長には、何か感じるところがあった。
これからこの二人には、おそらくは生死すら超越した宿命が待っていると。
校長は、共に前大戦を戦い抜き、今は遠く離れた地に駐屯する盟友を思った。
友よ。ついに12人すべてそろってしまった。新たな大戦が近い。
何も知らずに、明は嬉しそうである。
自分にもこんな頃があった、と校長は遠い日を懐かしく感じた。
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