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第一章・75
横になって目を閉じていた明は、隣にそっと近づく人の気配を感じた。
衣擦れと草を踏む音がし、腕にわずかに体温が触れる。
愛が、隣に寝転んだようだった。
明は目を開けて、濃厚なバラの香りに包まれながら星空を眺めた。
こうやって、二人して星空を眺める事が今後何回あるのだろう。
「ねぇ、明。死んだ人間は星になる、って本当?」
「ならねぇよ。人間は、死んだらプレセぺ通って死者の国へ行くんだ」
「そう」
明は、はっとした。
愛は、自分が死に至らしめた7人の魚座のことを考えて、そんなことを尋ねたに違いない。
嘘でもいいから、お星様になるのだ、と言ってあげればよかった。
「まぁ、日頃の行いが良ければ、その後で天国とかに行くんじゃねえのか? オレなんか、どう考えても地獄行き決定だけどな!」
からからと笑って、できるだけ明るく付け足した言葉は実にわざとらしかった。
しかし、後半部分だけはまず間違いないだろうな、と明は考える。
もう両手両足の指では足りないくらい人殺しを重ねたこの魂は、きっと救われまい。
「明は、地獄へ行くの?」
「あぁ」
短い返事を残して再び空を見上げた明は、もういっそこのまま時間が止まってしまえばいい、と思った。
そのまま沈黙が続くかと予想した明の考えは、愛の一言に大きく揺さぶられた。
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