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第二章 一粒の光 ~決意~

 眼をぱっちりと開け、きびきびと身支度を整える愛を、明はベッドの上から不思議そうに眺めていた。  まだパジャマのままで、体半分は布団の中の明とはえらい違いだ。 「お前、元気だなぁ。昨夜もよく眠れなかっただろ? 大丈夫なのかよ」 「うん。あんまり寝てないけど、朝は来るからね」  愛が魚座の大魔導衣にその主と認められ、正式に魚座の候補生となって早一ヶ月が過ぎようとしていた。  毎日体力の限界を超えた修練で、愛はいつもくたくたのはずだ。  食べたり眠ったりすることが体力回復の重要なポイントだが、体は疲れすぎるとかえって眼が冴える元となる。  愛は昨夜も、何度も寝返りを打ったり、まどろんだかと思ったら筋肉が痙攣を起こして突然目を覚ましたりしていた。 「さ、早くしないと朝ごはんに遅れるよ」  梯子を上って二段ベッドの上まで上がってきた愛に腕を引っ張られながら、明はようやく寝台から降りた。  狭くて埃っぽい共同宿舎のベッドは苦手だったが、愛を他の人間と同室にしておいては心配だ。  寝込みを襲われて、何かされるかと思うとたまったもんじゃない。  明は自分の部屋で寝泊まりすることを一時やめて共同宿舎に入り込み、愛と同室にしてもらっていた。

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