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第二章・5
「シュークリーム!?」
眼を丸くして自分の方を見た柊一を避けるように、愛は修練場へと駆け出して行った。
もうヤだ。シュークリームだなんて、冬月様にカッコ悪いところを見せてしまった。
耳まで赤くして、愛は場内へと逃げ込んだ。
ち、と舌打ちをして明は柊一をにらんだ。
「あいつ、この後絶対倒れるぞ。お前のせいだ。どうしてくれる」
「お前こそ、差し入れならパンでいいだろう。シュークリームなんて甘いものは肥満の元だ」
「疲労回復には甘いくらいでちょうどいいんだよ! それにパンなんか出しても、どうせあいつは食いきれねえんだから」
「お前こそ、心配なのは解かるが甘やかしすぎるんじゃないのか? 食事はろくにとらないのに嗜好品は口にするなんて、普通なら許されんぞ」
「あいつの場合、まず何か口にすることが第一なんだよ」
「それもそうだが。しかし、何だって愛はあんなに食が細いんだ?」
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