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第二章・21
身をよじって逃れようとする愛を、へらへら笑いながら稗田は揶揄した。
「どうぜ風俗に居たんだろ。いまさら勿体つけるなよ。大魔闘士様」
その言葉が終わるか終らぬうちに、稗田は激しい力で愛から吹っ飛ばされた。
「やめろ!」
「冬月様!?」
愛は飛び上がるほど驚いた後、瞬間的に顔に血を昇らせた。
まさか、今の話を聞かれていたのではないだろうか。
稗田は、自分を突き飛ばした相手が柊一だと解かると、少しだけ慌てた。
こいつは一筋縄ではいかない堅物のお出ましだ。
だが、しょせんは少年。
大人の稗田はしたたかだった。
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