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第二章・26
「蚤の市?」
愛が返してきた。
よし。いい感じだ。
「おう。今度の日曜日に、市が立つんだ。それぞれがいろんな品物持ち寄って、売ったり交換したりするんだ。おもしろいぜ?」
そういえばもうすぐだったな、と柊一も話に乗ってきた。
これはいける。
「子どもも出店していいんだぜ。いらなくなったオモチャを交換するガキもいるしな。自分で描いた絵を売りに出すヤツもいるぜ」
へぇ、と愛の眼が輝き始めた。
この調子だ。
明は、何か気まずい空気をかもす柊一と愛の仲立ちをするように、会話を振った。
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