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第二章・46

 鉢植えは順調に売れた。  天使のように愛らしい花屋さんがいる、という口コミも手伝って、一度に大勢の人々が詰めかけることもあった。  それでも、もともと客商売をしていたこともあって人当たりは抜群にいい愛だ。  難なく、それらをさばいていった。  にこにこと笑顔を絶やさず大人の客をまっすぐに見つめるその眼には、もはや怯えた陰は無く、柊一も明も心のつかえがひとつはずれた。 「完売だ!」  明が大きく万歳をし、愛は手をぱちぱちと叩いた。 「ずいぶん儲かったぜ~」  明は嬉しそうな声をあげたが、柊一の視線を感じて口をつぐみニヤリと笑った。 「当然これは、貯金! だな?」  石屋の柊一はその売上げは常に貯金、もしくは慈善団体への寄付として使っていたことを明は思い出していた。  3人で稼いだ金だが、言い出しっぺは柊一だ。  その使い道に一番大きな権限を持つのは、ヤツだ。  明は、降参したように手を頭の後ろで組んだ。

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