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第二章・48
明も愛も眼を丸くして、ついでに口もぽかんと開けて、まじまじと柊一を見た。
「イヤか?」
二人のあまりの驚きようにバツの悪そうな顔をした柊一は、自信なさげな声でつぶやいた。
だが次の瞬間、愛は柊一の首に腕をまわしてかじりついていた。
「ありがとう、柊一~ッ! 好き好き、大好き!」
ついに『冬月様』が『柊一』に昇格だ。
柊一は首筋にかかる愛の柔らかな髪の感触におおいに照れながらも、心の中でガッツポーズを決めた。
(あの柊一が、フルーツパフェとはね)
何かにつけ、愛に出会ってからお前は変わった、と柊一に言われ続けてきた明だったが、どうやら変わったのは自分だけではないようだ。
それから、愛自身も。
またひとつ問題をクリアして、ひとまわり逞しくなったその姿に、明は満足げにひとつうなずいた。
フルーツパフェは冷たくて甘くて、とても美味しかった。
おかわりして、3つも食べた。
そして、3人は仲良くお腹をこわした。
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