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第三章・17 ~作戦実行~
翌日、修練場で東郷は柊一の連れを見て目を丸くした。
「川嶋? どうしてここに」
「冬月に頼まれてね。しばらくここで一緒に稽古に加わるからよろしく!」
東郷は口をぽかんと開けたまま、柊一に視線を移した。
柊一は何やらばつの悪そうな顔をして、明後日の方を向いている。
「足技を究めたいらしくてね。ま、確かに蹴りなら東郷、あんたにも負けないからね!」
にっ、と笑った川嶋の口から、白い歯がこぼれた。
日に焼けた顔に映えるさわやかな仕草は、東郷の眼にまぶしく映る。
川嶋は東郷の一つ年上で19歳だ。
慣習にとらわれない奔放な性格で、姉御肌で面倒見がいい。
女子たちの間で、親衛隊が結成されているほどの人気者だ。
『女版東郷』とささやく者たちもおり、おおらかで大勢の人間に慕われている点は、なるほど彼によく似ていた。
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