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第三章・39
ぶんぶんと大振りの東郷の拳は入江にいいように受け流され、そのたびにカウンターを喰らっている。
あぁ、あんなに打たれて、と愛は顔を手で覆った。
見なくても、耳には鈍い音が入ってくる。東郷が倒れるのは時間の問題だろう。
「担架の用意、しといた方がいいんじゃねえの?」
明の言葉に、愛は、がばと頭をあげた。
「担架!? そうだ。いい事思いついた!」
後で連絡するから待ってて、と言い残すと、愛は急いでその場を離れて行った。
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