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第三章・41
「用もないのに大魔導士のプライベートゾーンに入るなんて、許される事じゃないよ!?」
「用ならあります。黙って私についてきてください」
肩書はまだ候補生だが、魚座の大魔闘士確定の愛である。
管理人も道を開け、二人は早足で敷地内を駆けた。
ずいぶんと奥まで入ったところで愛がようやく足を止めた場所は、東郷に与えられた射手座の住居だった。
「どどどどういうことだい!? 何だって、よりによってこんな所に!」
「もうすぐ東郷様がボコボコにされてここに来ます。そしたら、手当てしてあげて」
川嶋は、東郷の名前を聞いてカッと体が熱くなった。
どのツラ下げて会えようか。
「お断りだよ。できないよ、そんな事」
「残念。もう遅いようですよ?」
川嶋の目の前の空間がずばりと切られ、宙空から人がどさりと降ってきた。
「痛てっ!」
「東郷!? こんなにボロボロになっちゃって、一体どうしたんだい!?」
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