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第三章・49
これ以上の言葉は野暮だったので、明は愛をそっとベッドに横たえた。
何てことだ。
最初から、こうなるといいな、なんてエロい下心で寝室に連れてきたくせに、ひどく緊張してきた。
愛が好きだ。
もしかして、いやきっと一目惚れだった。
好きだから、キスしたい。
好きだから、セックスしたい。
「愛、好きだ」
絶対に、伝えなくてはならない言葉だった。
「私も、明のことが大好き」
二人、吐息を絡ませながら、肌を擦り付け合った。
服をゆっくり脱ぎながら、あらわになった肌を合わせた。
白い、愛の肌。
唇を這わせると、桜色がさした。
「あぁ……」
囁くような愛の喘ぎが、悩ましい。
普段の明なら、猛烈にむしゃぶりついていくところだ。
前戯もそこそこに、突っ込んでいくところだ。
だが、愛は今まで付き合ってきた人間とは違う。
魂さえ結びついているかのような感覚を覚える、唯一無二の人間なのだ。
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