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第三章・51

 がちがちに勃ちあがり、先漏れの体液まで溢れさせているくせに、丁寧に後ろを解してくれる明の思いやりを、愛は嬉しく感じていた。 (ああ、やっぱり明は今までの人とは違う)  好き嫌いもなく相手をさせられた、お客様。  否応なしにレイプしてきた、犯罪者。  そんな過去の誰とも違う、明。  私は生まれて初めて、本当に好きな人と結ばれるんだ。 「愛、いいか?」  明の、切羽詰まった声がした。 「うん」  愛は歓喜に震えて、愛する人を迎え入れる準備をした。  硬い先端が、愛の内へ挿入った。  それだけで、ぞくりとする。  自分も、体液を零した気配が解る。  ゆっくりと、明が挿入ってきた。 「あ、あぁ。んっ、く。はぁあ!」  体の内に、明の体が形作られる。 (あぁん。太くて、長い!)  愛は、頭の中で絶叫した。  初めてのエッチだ。  はしたない言葉で、明を幻滅させたくなかった。

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