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第三章・52
「全部、挿入ったぞ」
「す……ごい。奥まで……」
感極まって涙を零す愛だったが、明はそれを苦痛かと捉えた。
「大丈夫か? 痛くないか?」
「平気。ね、動いて」
私を気持ち悦くさせて、と囁く愛は、ひどく大人びて見えた。
オレより一つ年下のはずなのに。
生意気だぞ。愛の癖に。
にやりと笑って、明はゆるりと腰を退き始めた。
愛のおかげで、緊張が和らいだ。
後は二人で、天国に昇るだけだ。
愛の内壁は柔らかい上に弾力があり、独特の粘りがあった。
退くペニスに絡まり吸い付き、なかなか離してもらえない。
もう、これだけで射精してしまいそうだ。
明はギリギリまで引き抜き、愛の腹側に向けて一気に貫いた。
「あぁあ!」
愛の甘い悲鳴が上がる。
明の硬い先端が、巧く性感帯に当たったようだ。
唇を一つ舐めると、明は次第に速く抽挿を始めた。
「あぁ、んッ! はぁ、はぁ、あぁあ!」
明の名を呼びながら、愛は先に果てた。
温かい愛の精が明の素肌にかかり、それが艶めかしい興奮剤になった。
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