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第三章・59
昨日の情事を思い出し、明は顔を赤くした。
今まで経験した中で、一番悦かった。
(ちくしょう、愛のやつ可愛くってしょうがねぇよぉ)
もう少し言葉を選ぶと、愛しい、の方がしっくりくるが、気恥ずかしくって仕方がない。
愛の痛手が回復するなら、何回でもセックスするんだけど!
まぁ、それは彼次第だ。
岩の下敷きになってしまったノイバラも、根が無事ならまた芽吹くかもしれない。
今度は照れずに、ちゃんと柊一や愛にも教えてやろう。
そんなことを考えながら、明は自分の頬をひとつぱちんと打った。
「どうしたの、明」
「何でもねえよ」
そして笑顔で、愛の肩に手を回した。
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