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第四章 5人の犯罪者 ~プロローグ~

 日曜日ということもあって、街はずいぶんと賑やかだった。  家族で買い物を楽しむ家族連れや、友達同士で遊んでいる女学生。  団体ツアーの観光客や、幸せそうな恋人たち。 「な、な。俺たちもこうして並んで歩いてっと、イイ仲に見えるかな?」 「もう! また、おバカなこと言って!」  そんな雑踏を歩いているのは、明と愛。  20代に成長した彼らは、魔導学校の特務機関から、国内外を問わず怪異やミュータント・テロリストと戦う日々を送っている。  しかし、彼らにだって休暇はある。  本日はそんな休みを利用し、明は愛を誘ってプレゼントを選びに来ていた。  私にも何か買ってくれるなら、選ぶの手伝ってあげる。  甘え上手の愛に、苦笑い20%・照れ笑い80%の顔をして、明はスターリングシルバーとブルーレザーで出来たシングルブレスレットを買ってあげた。  その場でにこにこと、さっそく身につける愛なので、こちらも贈り甲斐がある。  こうして強い味方を得た明は、ダイヤモンドトップの付いたペンダントを買う事となった。

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