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第四章・4

 ランチを食べながら尋ねてみても、お調子のいい返事をするだけだ。 「いや~、能ある鷹は爪を隠す、ってヤツ? この俺様、すでに神の域に達してるってカンジだから」 「本気でそんなコト言ってるの?」  胡散臭げな愛に、明はさらに畳みかけるのだ。 「神の力を誇るこの蟹座の大魔闘士・左近充 明様が、あんなチンピラの一人や二人、相手にしてられないっての」 「ふ~ん。オトナになったね。明」 「まぁな~♪」  う~ん、と愛は半信半疑だったが、彼が要らぬ騒動を起こさないようになったのは良い事だろう。 (ちょっと、明っぽくない、けどね)  後はもう、贈り物はマダムの店に渡しにいく、だの、バラの花束も添えよう、だのと、晴れやかな会話に移った。  楽しげに話す愛を見ながら、明は眼をわずかに細めた。  俺がオトナになれたのは、お前のおかげなんだぜ。愛。 (それから、あのお節介な御兄弟にも感謝……だな)  ゆっくりと白ワインを飲みながら、明は昔を思い出していた。

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