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第四章・7

 町へ到着し、そこらを歩く人へ左近充がどこにいるかを訊いて回る入江だった。  三丁目といっても結構な広さだ。知りませんなぁ、との声ばかりだ。  焦りながらも町の中心へ近づき、繁華街とまではいかないまでも、それなりに賑やかな区域へ入ると、そこではもう左近充の話で持ちきりだった。 「いやぁ、痛快でしたよ!」 「さすがは魔闘士さまだわ!」 「私もあんなに強くなりたいですな!」 (何だ、これは)  明を悪く言う人間が、一人もいないのだ。  いや、それどころか、まるで英雄扱い。  しばらく歩き回っていると、意気揚々とした明と、彼に心配そうな顔でよりそう愛の姿をようやく見つけることができた。  彼は人々に囲まれて、実に得意げで。  町の人たちもやはり、そんな明を讃えている。 「何があったんだ」  入江の声に真っ先に反応したのは、愛だった。

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