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第四章・14
「まぁ、ぶっちゃけ言っちまえば、イチャもんつけられた、ってコト」
眼つきが悪い、だの、こっち見て睨んだだろう、だの、面が気に食わない、だの。
散々因縁を付けた挙句、有り金を全部よこせ、と来たらしい。
往来のある所だが、子ども相手ならすれ違ったくらいでは何を話しているのか、何をやっているのか解かるまい、とでも思ったのだろう。その若者たちは。
「コレって、正当だよな? 何たって、ガキからカツアゲしようとしたんだから」
理由は解かった、と東郷は頷いた。だがしかし。
「しかし、先程も言ったとおり、魔闘士の務めは人々を守る事だ。いくら悪事を働こうが、一般人に手を上げ怪我を負わせるような魔闘士は、罰せられねばならない」
「こンの、クソ東郷!」
「やめて、明!」
東郷に突っかかる明に、愛が必死でしがみついて止めている。
そして入江も、落ち着いた声で続けた。
「皆さん、この件は魔導学校でも話し合いたいと思います。再び、あの者たちがこの町で何か不品行を働いたなら、お知らせください。また、最寄の警察署への通報もお願いします」
仮にも、次期教官と目される大魔闘士の言う事だ。
その場の興奮は落ち着き、今後の対策を話し合いつつお開きとなった。
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