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第四章・17
「あんたに反省文を書け、と言われるなんて思わなかったな」
そう。蒼次郎は兄と違って、結構なワルのはず。
今回オレがやった事は、こいつにとっても痛快なはずなのに。
「早くここを出たいなら、の話だ。いや、早く出た方がいいぞ。お前がボコッた5人は、揃いもそろって名士のボンボンだ。必ず仕返しを……」
そこまでで、蒼次郎はすっと姿を消した。
「おい? なンだよ! 話の途中で消えんじゃねぇよ!」
交代の牢番が、新しい面会人を連れて来たのだ。
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