203 / 259

第四章・17

「あんたに反省文を書け、と言われるなんて思わなかったな」  そう。蒼次郎は兄と違って、結構なワルのはず。  今回オレがやった事は、こいつにとっても痛快なはずなのに。 「早くここを出たいなら、の話だ。いや、早く出た方がいいぞ。お前がボコッた5人は、揃いもそろって名士のボンボンだ。必ず仕返しを……」  そこまでで、蒼次郎はすっと姿を消した。 「おい? なンだよ! 話の途中で消えんじゃねぇよ!」  交代の牢番が、新しい面会人を連れて来たのだ。

ともだちにシェアしよう!