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第四章・25
「交代だ」
「へ?」
早すぎるんじゃないか、と牢番は考えた。
しかしそこには、目深に帽子をかぶった魔闘士が立っている。
「どうした。休みたくないのか?」
「え、あ。うんうん。じゃ、後は頼む」
引き継ぎもせず、逃げるように牢番は去ってゆく。
代わりに牢の前に立った一般兵は帽子を脱ぐと、ぶるんと一つ首を振った。
長髪が散り、不敵な笑みが現れた。
「反省文は書けたか?」
ベッドに転がっていた明は、全てを知っていたかのように寝返りを打って蒼次郎へと眼を向けた。
「さすがは入江の弟だな。何としてでも、俺に反省しろ、ってか?」
入江凜太朗の双子の弟・蒼次郎。
姿かたちはまるで瓜二つだが、こういう規律には厳しいというわけか。
「ヤなこった。ンな、かったるいコト、出来ッかよ」
「さっきも言っただろう。早くここを出た方がいいぞ、とな」
そうだった。
さっき、そこまで言いかけて蒼次郎は姿を消したのだ。
「オレがやっつけた5人がイイとこの坊ちゃまだと、何か不都合があるのかよ。確か、仕返しをする、って言ったよな」
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