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第四章・28

 明の声は、言葉にならなかった。  ただ、わなわなと唇を震わせた。 「だから、俺はすぐに魔導学校へ戻った」  凜太朗が、俺の仕出かしたことで理不尽な目に遭うことは、我慢できなかった、と蒼次郎は言う。 「まさか……、愛が……」  後はもう、言わずもがな、である。  蒼次郎はただ、その可能性はある、と呟くにとどめた。

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