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第四章・32

 4人がかりで、たちまちのうちにシャツもジーンズも脱がされた。  その中には、路地裏で苦しんでいたはずの男もいる。  いよいよこれは罠にはめられたのだ、と愛は顔をそむけた。  そんな彼の悲しみも知らず、動画を撮ったり興味津々覗き込んだりしていた若者たちは驚いた声を上げた。 「あれ? 付いてる!」 「男の娘、だったのか!」  どうします? とチンピラ達はセレブの坊ちゃんたちに問うた。 「男なら男なりの楽しみ方はありますが?」 「ここに来て、このふてぶてしい態度。こいつァ素人じゃありませんよ」 「どっかの店に居たことあるんでしょう。慣れてるし、テクもあると思いますぜ」  チンピラ達はずいぶんと乗り気らしい。  仕事で極上の美少年が抱けるのだ。こんなに美味い話は滅多にない。 「じゃあ、遊んじゃおっか」 「まず、ヤッて見せてよ」 「ヘロインは?」 「死なない程度にね」 「興奮してきた~」

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