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第四章・34

『明? 何を心配してるの? 僕は今、バスに乗って学校へ帰る途中だよ。  あ。それから、ごめん。パオロ・カヴァタイオ製のアンチョビはなかったんだ。  でも店員さんのお勧めが買えたから、楽しみに待っててね。  それじゃ』  一方的にテレパシーを遮断し、愛はその後の明からの交信を拒んだ。 「しゃぶれ」 「はい……」  すでに強烈な陶酔感に蝕まれながら、愛は自分に跨ってきた男のものを愛し始めた。  両腕はベッドのパイプに手錠で繋がれているので、使えない。  愛は舌を大きく伸ばし、男の棒芯を舐めまわした。  先端を吸い、舌先で弾くと、ご機嫌な声が上がった。 「思った通りだ。こいつ、相当慣れてやがる」  たまらねえ、と男は早速腰を使い始めた。  喉奥まで突き入れられる、醜悪な凶棒。  それでも愛は、噎せもせず受け入れた。 「ッく。ん、んんッ」  唾液が溢れ、顎をつたう。  

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