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第四章・40
「左近充! 蒼次郎!」
「おやおや。双子座の大魔闘士様が、尊ぶべき校長先生を差し置いて、悪ガキ二人組の所へやってきたぞ」
蒼次郎は相変わらずシニカルだったが、明は眼を真っ赤に腫らし、激情にまかせて鉄格子を掴むとがちがち言わせた。
「入江さん! オレはどんな罰も我慢する! 反省文、100枚でも1000枚でも書くし、鞭で10000回打たれたってかまわねぇ! だから、だから、愛をぉぉぉぉ……」
後はもう、ずるずるとその場に崩れてしまった。
そんな少年に頷くと、入江は蒼次郎を見た。
「左近充が動けない分、お前に手伝って欲しいんだが」
「そう言うと思った」
だからこそ、凜太朗よ。
この俺の、兄貴よ。
そして二人は、テレポーテーションで瞬時に現場へと向かった。
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