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第四章・50 ~エピローグ~

 入江兄弟には、心から感謝してる。  まぁ、今だから言える事だけどな。  あの後、マジで反省文1000枚書かされたけどよ。  俺的には、1000枚でも足りなかったぜ。  鞭で10000回打たれてもいい、と思ったしな。  俺がオトナになれたのは、お前のおかげなんだぜ。愛。  ゆっくりと白ワインを飲みながら、明は昔を思い出していた。  80歳になったマダムは、美しく年を重ねていて。  今夜、常連客がささやかな誕生会を開く、と聞いて少しお洒落をしてくれていて。  プレゼントの一つひとつに、素敵に喜んでくれて。 「いい夜だったね、明」 「ああ、最高だったな」  昼、陽の下で一緒だった愛と明は、夜、月の下で一緒に歩いている。

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